女性アスリート外来とは

アスリートは、己の能力を極限まで高めようと日々研鑽に努めています。その姿は尊いものですが、女性アスリートに関しては、激しく自分を追い込むほどの運動は、生殖機能に影響が及んでしまうことが少なくありません。

青春時代の一ページに華を添えるために体を鍛え抜き、成績を向上させることもかけがえのないことかもしれませんが、一方で妊孕性を低下させる(将来的に妊娠がしにくくなる可能性)一因となることもあります。

月経の予定日が大事な競技や試合と重なってしまう場合、思うような能力が発揮できないこともあります。このようなケースでは、月経が来る日を早く、あるいは遅く移動させることも可能です。また毎度繰り返す月経痛に悩まされているといった方も遠慮なく当外来をご受診ください。

なお月経移動を希望される方につきましては、ホルモン剤を処方いたします。
ホルモン剤(低用量ピル、中用量ピル)に関しては、禁止薬物ではありません。

FATについて

女性アスリートの中でも、体にかかる負荷をできるだけ少なくしたい競技、あるいは魅せる競技、または体重制限が必要とされる競技に関しては、スリムなボディを目指すスポーツ選手が多いです。このような場合、FAT(Female Athlete Triad)と呼ばれるスポーツ障害に陥りやすくなります。

FAT発症のメカニズムですが、上記で挙げたスポーツ選手というのは、スリムなボディをキープしたまま、運動量をこなすトレーニングを続けていきます。ただその際にトレーニングの量に見合うとされるエネルギー(栄養素)の摂取が十分でないと、月経不順や無月経などが引き起こされます。無月経になると、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が不足するようになります。つまりこの状況というのは、骨粗鬆症と同様の状態であります。したがって、運動でいくら骨に負荷をかけたとしても骨量は低下するので、疲労骨折などが起きます。これによって、現在行っているスポーツに支障をきたすことにもなります。

FAT対策としては、摂取したエネルギーに見合った運動量にするか、不足しているエネルギー量を運動量と釣り合うように充足させ、体重をある程度まで増やしていくといったことが必要です。